真夜中の火事
真夜中の0:30を回った頃。
男の大きな声で目が覚めた。
「火事です!避難してください!」
目を覚ますと、部屋が赤色灯で真っ赤染まっている。
火元はどこかと飛び起きて窓に向かう。
カーテンを開けると家の前には複数台のパトカー、消防指揮車。
部屋からは煙と炎は確認できない。
よく見ると警官が避難を促すよう叫んでいた。
急いで旦那を起こし外に出る。
2軒隣のアパートから煙が見えた。
火元はきっとそこだろう。
部屋に戻って息子を起こす。
パジャマのままジャンバーを着せて、靴下をはかせる。
涙目で怖がる息子。
「大丈夫。近くで火事だから逃げようね。」
家族3人、身一つで外に出た。
外に出ると2軒隣のアパートから炎が見えた。
真っ赤な煙がもくもくと立ち上がる。
幸い風向きは我が家とは反対に流れており、我が家にまで延焼することは無さそうだ。
すると警官から危ないので離れていてくださいと言われ、少し離れたところから様子を見た。
周辺は赤色灯で真っ赤。
消防車も続々到着。
ホースを持った消防隊員や、警官の大きな声が聞こえた。
しばらくすると、真っ赤だった煙が白くなり、黒くなり、鎮火されていくのがよく分かった。
もう大丈夫そうだとなったので部屋に戻って、午前2時過ぎにようやく眠りについた。
朝のニュースで確認すると、通報から3時間後に鎮火されたそうだ。
実は私。
火災現場に遭遇するのはこれが3回目。
初めての火災現場は自宅のお向かい。
廃墟になっていた結婚式場が真っ昼間に燃えた。
不良や、浮浪者の溜まり場になっていたので、タバコなどの不始末が原因だったと思う。
2回目は隣家。
出火元の木造平家建のその家には、90歳をとうに超えたお爺さんが一人で住んでいた。
無口だが、雪が降ると私の家の前まで雪かきをしてかれる優しいお爺さんだった。
その時私が住んでいた家も木造平家建。
ただ、高い壁に囲まれていたので延焼することもなく被害はガラス数枚が割れた程度だった。
でも出火元のお爺さんは亡くなり、うちと反対隣のお宅は全焼だった。
そして今回、3回目。
真夜中の火事だったのにも関わらず、幸い怪我をした人はいなかった。
こんなに火災現場に遭遇するなんて。
神様は私に何か伝えようとしているのだろうか?
#スピリチュアル